素敵なラテアートを辿って
ラテアートの施されたカフェラテ、あるいはカプチーノを飲んだことがありますか?カフェラテだったらハート模様とかリーフ(葉っぱ)模様、カプチーノだとくまさんの絵が描かれたものだったり。
昔「エスプレッソアメリカーノ」というお店の紀尾井町店でバイトしていたのですが(残念ながら現在閉店・・・でもチェーン店はまだある、はず)そこでバリスタとしてこのラテアートの修行をしていました。
ちなみによく聞かれるけどカフェラテとカプチーノの違いと言うのはミルクの泡の細かさかな。カフェラテのミルクの泡はきめ細かいので、フリーポアと呼ばれる、ミルクピッチャーから出る泡とエスプレッソとの対流だけで模様を付けちゃう。
ラテアートをする時に大事なのは、状態のいいエスプレッソを淹れること、そしてきめ細かい泡でできたミルクで描くこと。私がバリスタの修行を始めた時も、まずはお店のマシーンで美味しいエスプレッソを淹れられるようになり(粉を詰めている時のちょっとした力加減や粉の量などちょっとした違いで抽出されるエスプレッソの状態ががらりと変わってしまう)、ミルクをピッチャーで温める時にきめ細かい泡が作れるようになり(これがまたミルクスチーマーのちょっとした角度で変わっちゃうから難しくて、ぶくぶくぶく~と大きな泡ができちゃったりすることもしばしば)、それから初めてアートという具合に順番に合格点をもらって先に進むという工程がありました。
でもそこまで合格点をもらってもやっぱり難しいのはアート。。(フリーポアのコツを掴んでしまえば、むしろ大事なのはいかにいいエスプレッソとフォームミルクを作るかにかかってくるのだけど、それはまた次の次元のお話 笑)エスプレッソへ注がれるミルクが一旦底に沈み、その対流で浮き上がってくる模様をうまく捉えてさっとピッチャーを振って素早く完成させないとならないので、ほんの一瞬タイミングがずれるともうすべてが台無しになってしまう。。。
会社には幸いにもバリスタ道場と言うものが設けられており、店舗である程度基礎を積んだ人が本部の一室で更なるバリスタのマイスターからレクチャーを受けることができる。この道場もなんというか他の社員さん達もいるなかでやるので緊張して、店舗でできてたこともできなかったりもするんだけど、普段とはまた違った視点でラテアートのやり方を徹底的に説明してもらえて、実習できるのは本当に楽しかったなあ!
一方、カプチーノは泡がもっと厚いので、ハートくらいは描けるけどリーフみたいな繊細なアートには不向きで、お店によってはその厚い泡をうまく利用して後からちょいちょいと模様を足して動物の顔とかいろんな装飾を付けてくれます。
デザインカプチーノの方が後から付けたしできるから少し簡単、という訳ではなくて、デザインカプチーノはそのデザインをするなんというかセンスの良さがないと絶対できないなーと思います。私はなんか絵心がなくて…笑 デザインカプチーノは全然うまくできなかった。
いやあでも今でも、カフェラテやカプチーノがラテアートを施されて出てくるとほんとテンションあがる!フリーポアのうまい人に当たるとすごい感動するし、デザインカプチーノなんか多少ヘタうまというか味のあるアートに会えるとニマニマしちゃう。
当時修行も兼ねて本当にいろんなお店に飲みに行ったけど、今でも大好きで通っているお店がたくさんあります。
私がバイトし始めて2年くらいでお店が閉店しちゃって、その後もラテアートができるお店を探したりもしたんだけど、何せ本業の演奏活動の仕事やリハーサルがいろいろ不定期に入るものだから、ある程度シフトの自由なところでラテアートをやっているお店、というのは見つからず。。修行が続けられなかったのは残念だったなあ。
働いている間にいろんなバリスタの人達、ラテアート選手権に出て頑張っている人達、いろいろな人を見てきたけど皆さん当たり前だけどものすごい情熱をもって美味しいコーヒー、美しいラテアートを目指していて。そういう世界を垣間見られて、とてもとても皆さんの足元にも及ばないけど私もその修行の世界に少しだけ足を踏み入れて、短期間ながらものすごい集中してその世界にはまったあの時間はとても貴重だったし、自分の心の修行にもなりました。また機会があったらしっかりやりたいなあ。